オランダってどんなとこ?&欧州のVC市場
欧州はどんなとこなんだろう......ということでオランダを取り上げて主にスタートアップ事情に関して調べてみました。なぜオランダなのかというと、僕がCandy Dulferというオランダ人の女性サックス奏者のファンだからです。めっちゃ美人やで.....蹂躙されたい.....
世界経済のネタ帳さんを参考にしつつ外務省のページ等参考に書きました。お前適当なこと書くな的な箇所があった場合コメントでご指摘いただけると大変ありがたき所存でございます。あとオランダだけだと寂しいので欧州のベンチャー投資に関しても簡単に調べてみました。
【オランダ経済の概要】
オランダは人口が少なく内需に依存できないために、輸出(機械類、石油等の鉱産物、電気機器など)の占める規模が大きい貿易国になっています。石油以外の天然資源はほとんどない状況でありますが、オランダの一人当たり実質 GDP は39,847ユーロ(だいたい500万円)と高く、日本を上回っていますね。
世界経済のネタ帳
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPRPC&c1=NL&s=&e=
伝統的に自由貿易主義を標榜し、中継・加工貿易を基軸とした通商国家であるため、空港、港湾、道路・鉄道網が整備されており、欧州における物流の中心基地となっていてます。オランダの物流に関してオランダ経済省 企業誘致局(NFIA)が見やすくまとめていたのでリンク貼っておきます。そういえば100年前の日蘭通商航海条約がまだ有効ですみたいなニュースがあったように、日本人にとって非常に移住しやすい国らしいです。美人も多いし最高じゃないか!
https://www.jmcti.org/C-TPAT/vol.1/2015/data144/1.Netherland_economy.pdf
失業率は日本とどっこいどっこいですが2012年以降7%を超える状況が続いています。この背景には2009年頃に始まったオランダの不動産市場の不況にあるようです。大手銀行の不良債券化した不動産債権も、約6500億ユーロ超に上り、なんかどっかで見たことあるような状況になってたらしいです。WSJがこの問題を取り上げていたので詳細を見たい方は下記リンクへ。
https://www.jmcti.org/C-TPAT/vol.1/2015/data144/1.Netherland_economy.pdf
【企業に関して】
大規模な多国籍企業も多数存在していて、フィリップス社、アクゾノーベル社、ASML社、DSM 社等、日本人もお世話になっている企業も多数あり。ちなみに私はフィリップスの鼻毛トリマー愛用中。オランダで誕生し、海外進出を果たしたスタートアップには、決済サービスのAdyen(Facebook、Spotify、Airbnbが使用)、エンタープライズアプリケーション開発のMendix(現在の拠点はボストン)、Shapeways(現在の拠点はニューヨーク)、食事宅配プラットフォームのTakeaway.comなどが代表的か。
2014年には新たなBAN(エンジェル投資家ネットワーク)、StartupDeltaが始動(http://www.startupdelta.org/)アムステルダムに本拠を置く起業家と投資家らを結ぶネットワークで、政治家ネリー・クルースが表に立ってスタートアップ支援を行なっている。IBMがスポンサーをやっているらしく、IBMの人と会った時聞いてみたら自分の担当じゃないからなんも解らないと言われた。IBMくらいの規模になると自分の会社の事業を把握しきれなくなるんですね。すごすぎワロタ。*文章にするとめっちゃ嫌味っぽいけど純粋に会社デケぇと思いました。ネリー・クルースさんが仰るにはオランダ国内各所のテックシティ化を図り、シリコンバレーのような産官学が連携したエコシステムを作りたい模様。日本人も渡航しやすいし今後ウォッチしていくのも面白いかもですね。
【オランダの街】
StartupDeltaの取り組みにあるように、オランダ国内には産官学が連携した幾つかのテックシティを目指す街があるそうです。簡単にご紹介いたします。
・アムステルダム
2014年2月アムステルダムに政府がStartup Amsterdam(一種のテックキャンパス、安く入居できるオフィススペース)やB.Amsterdam (既に67の会社が入居しており広さは6000平方メートル)を設立するなど環境が整ってきている。
2011年にベンチャー投資会社の Rockstart,がStartupbootcampを立ち上げ、インキュベーションプログラムも活発になっている。オランダで最もスタートアップが盛んな町の一つ。
・デルフト
人口の20%を学生が占める学生街です。アムステルダムがソフトウエアに注力しているのに対し、デルフトのスタートアップ企業はハードウエアも含めたIoTが特徴。
・アイントホーフェン
髭剃りとかで有名なフィリップス社の本社がある街。135以上の企業(ベンチャー60社)、1万人の研究者が勤務するハイテックキャンパス(HTC)を中心に「ここでは20分に1件、新たな特許が生み出されている」くらいのスピードで発明が盛ん。アマゾンやインテルもHTCに参加している。
【オランダエンジェル投資家の状況2007年】
最新のデータを日本語で見つけられず、なおかつ英語を読む気力が残っていなかったので日本人の方が書いた論文を参考にしましたwww
オランダでは NeBIB という民間の全国的なネットワークがビジネス・エンジェル・ネットワークとして1995年から活動しています。2007年度における同国のビジネス・エンジェルの数は1,904であり、2006年度の500と比べて大幅に増加している。1件当たりの投資金額は83,000ユーロと小口の案件が多くなっている様子。
参考:https://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/3069.pdf
【VCの状況2007年】
2007年時点でのVCの総投資額は225億ユーロ(約3兆5,592億円)。その中でもスタートアップへの投資は1億3,700万ユーロ(約216億7,203万円)らしい。
*1ユーロ=158円換算
↓オランダには約60のVCがある↓
https://startupjuncture.com/2015/09/24/looking-for-vc-the-dutch-funding-ecosystem-mapped/
【欧州のベンチャー投資】
EBANの統計を基にまとめました。詳細見たい人はリンクを貼っておくのでどうぞ↓
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
2013年のEU圏内のスタートアップへの投資規模は約75億ユーロとなっており、そのうちエンジェル投資が55億ユーロ、VCからが20億ユーロとなっています。また投資型クラウドファンディングも8千万ユーロの規模を誇っており、確実に市場が拡大している様子であります。*エクイティクラウドファンディングのご紹介は後日改めてブログにアップしようかなと思います。
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
2013年時点でEU圏内のエンジェル投資家は30,000人を超えており年々増加傾向にあります。また欧州ではBAN(ビジネス・エンジェル・ネットワーク)と総称される投資家と企業のマッチングを促すコミュニティが発達しており、エンジェル投資のエコシステムが形成されているそうな。グラフ見るとBANに属しているのは全体の10%くらい。
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
EUにはアクティブなBANが500近く存在しているらしくEU政府も積極的に支援やプロモーションを行っており年々増加傾向にありますな↓
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
【欧州国別ベンチャー投資】
上から順にエンジェル投資額の多い国となっており、イギリスはまあわかるんですが意外にもスペイン、ロシアが並んでいます。オランダは15番目にランクイン。
*オランダは2013年時点で下記のような数字が出ている。
・エンジェル投資件数810件
・エンジェルネットワーク11
・エンジェル投資額980万ユーロ(前年比-3%)
・エンジェル投資一人当たり平均1万2千ユーロ
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
【フィンテック投資】
みんな大好きFintech。一部の人達は「バズワード化しちゃってトレンドは過ぎた」みたいな空気感をムンムンにしていますが日本はまだまだこれからです。
欧州のフィンテック投資は、2011,2,3年から伸び始めていますね。2014年度には各国ともに急昇。特に欧州はエクイティクラウドファンディングの規制緩和が早かったので今後もウォッチしていきたいです。
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
【オランダのフィンテック市場】
2014年の時点で累計3億ユーロ(3億600万ドル)の投資が行われておりEU圏内でTOP3の金額になります。先日もオランダ銀行が「DNBコイン」という内部ブロックチェーンの試作品の開発に取り組んでいるというニュースを見ましたし、各国中央銀行も開発に取り組んでいるとのことで今後どうなっていくのか楽しみであります。
http://www.eban.org/wp-content/uploads/2014/09/13.-Statistics-Compendium-2014.pdf
つまるところオランダは美人の多い素敵な国ということです