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自分の興味関心をただメモるだけのブログですぅ

アメリカの学術クラウドファンディング「Experiment」調べたったー

 

 クラウドファンディングだっていろんな特化型があるんやでということで学者の研究費をweb上の寄付で集めるExperimentさんを紹介いたしまする。*ざっくり調べたので最新情報じゃないのはあしからず。あとファウンダーの一人Cindy Wu氏に関しては調べるのが急に面倒くさくなってしまったのでいつか更新しますw

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 https://experiment.com/ ビルゲイツ御大も応援しております

 

<Experiment, inc>

  • 創業:2012年4月12日
  • 所在地:サンフランシスコ、カリフォルニア→最近ニューヨークに移転したらしい
  • ファウンダー:Denny Luan, Cindy Wu
  • 資金調達:$2.58M in 2Rounds from 51Investor 
  • 流通金額:602万$
  • プロジェクト成功率:48.4%
  • 総プロジェクト数:1051件

【ファウンダーのお二人】

「Denny Luan」
ワシントン大学 2007-2011
専攻:経済・生命化学

・学部2年までPollack教授の研究室に所属(基礎研究のラボ)。二つ専攻できるあたりアメリカンドリームを感じますね。

http://faculty.washington.edu/ghp/

・学部3年時にIGEM出場 ゴールドメダル獲得

http://2010.igem.org/Team:Washington

・学部4年でSeelig Labに所属

定量生物学、DNAナノテクを研究するラボでマイクロRNADNAコンピュータを研究

https://homes.cs.washington.edu/~seelig/

・卒業後2011年6月にエクスペリメントをシアトルで立ち上げ、2013年Yコンから出資を受ける。2013年冬のに参加しており話題のzenefitsやwefounderと同期。その縁あってかラウンド1でwefounder上での調達も行っている。

 学部時代に経済も専攻し、ゲーム理論マイクロファイナンスを学んだそうでクラウドファンディングに行き着いたのもそれが影響しているのだろうか。

「Cindy Wu」
ワシントン大学2007-2011
専攻:生命工学・生命化学。以上。w
*後で追記します(泣)
  

【概要】
 AoN(All or Nothing)方式で寄付型の学術クラウドファンディングサイト。応援したいプロジェクトを選んで金額を入れてカード番号を入力すれば簡単に寄付できる。1$からの寄付が可能で、手数料8%(Experimentが5%,決済手数料が3%)以外のマネタイズ方法は不明。
 プロジェクトページの研究紹介や入金の画面等非常に見やすかった。スクショで載せたらやっぱあかんよね,,,ということでこの先は自分の目で確かめてくれよな!キリッ(一昔前のゲーム攻略本風)

Experiment | Crowdfunding Platform for Scientific Research

 支援したプロジェクトがサクセスすると、研究プロセスが詳細に書かれたレポートのPDFを閲覧できるようになる特典や研究者が研究内容を日記に記すlabnote機能はサイエンスファンにはたまらないでしょう。labnoteは出資しなくても観れるので拝見しましたが専門外でなおかつ英語なのでわけわかめでした。またサクセスしたプロジェクトの成果がジャーナルとしてまとまっています。これは以外と読んでて面白いぞ!

Journal of Results | Experiment

 プロジェクトの種類は<生物学,エコロジー,教育,心理状態,数学,化学,物理,化石学,人類学,エンジニアリング,社会学,材質科学,医学,アートとデザイン,データサイエンス,経済,地球科学,ニューロサイエンス,政治学,コンピュータサイエンス>という25種類のプロジェクトを公開しており総調達額が多いのは上から医学、ニューロサイエンス、生物、エコロジー、教育の順。やっぱ医学強っよい...... 平均出資額はだいたい170ドルくらいなそう。また研究者が所属する大学別の調達額も公表しており、調達額とプロジェクトの総数ともにファウンダーの母校であるワシントン大学が27プロジェクトの17万8千ドルで一番多かったです。プロジェクトの達成率が50%を下回ってしまっているのが若干気になるとこですがそれでも累計$602万集めていて学術けいクラウドファンディングでは依然ダントツの存在感を醸し出しております。合計調達額は $2.58M以上(2013年に$1,21Mを、2015年に$1,37Mを調達)*他3回の資金調達は金額非公開で、2013年冬のYCに参加(zenefitsやwefounderと同期)→ラウンド1でwefounder上での調達も行っています。

 

【インタビューかなんかで見かけた発言を要約&引用】

・Experimentによると、米国では2010年以降、実に80%もの研究者が予算獲得のための申請書作成に忙殺されており、67%が資金不足に悩まされているという課題がある。*それを緩和したいらしい。

・一般市民の目に届きにくい科学のストーリーや発見の瞬間の喜びを共有することに重点を置きたい

・Experimentでは有形的な見返りをあえて遠ざけ、科学的発見に参加する喜びそのものを出資の報酬と位置付けている→ゆえに寄付型にしてるそうな。

・以下Denny Luan談

立ち上げ当初はどういった研究分野が出資を集めやすいか予想していましたが、実際にはそのような予想は当たらず、むしろ個々の科学者が「どれだけ熱心に研究プロセスを共有するか」が資金集めに成功するための重要な要因だった。

寄付型で研究特化となるとなかなか難しいものがありますがこういったサービスどんどん増えて欲しいい

 

 ちなみに学術クラウドファンディングサイトはポツポツと増えており、アメリカのInstrumentl(https://www.instrumentl.com/)、ドイツのsciencestarter

https://www.sciencestarter.de/)など プロジェクト数が着実に伸びてますね。要注目の分野であります。